娘と楽しむポケモンガオーレ ガチンコ対決 ~激闘ミュウツー編~

2019年4月30日

激闘ミュウツー

“自勝者強 知足者富” ― 老子 ―

【瞑想と迷走】

2月14日でミュウ・ミュウツーコースは終了する。
ミュウツーを取る最後のチャンスは2月11日しかない。

そんな状況で迎えた2月11日…

いくらやってもミュウツーが取れない。

任天堂もこの日が稼ぎ時と分かっているのではないかと思うぐらい取れない。しかし今日を逃すと、平日晩にパパがこっそりバトルしにいかないといけなくなる。

さすがに一人でポケモンガオーレをやる勇気はまだ備わっていない…。

ハイパーボールで逃げられたら、取れる予感がしないものである。さながら負け戦と分かっていても…真田幸村の気持ちは分からないが、こんな感じなのか。

帰宅のタイムリミットをオーバーしている…
嫁の顔がちらつく…『何時までやってるのよ!明日から幼稚園があるのに生活リズムが!』

耳元でリアルな幻聴が聞こえてくる。この時間ならまだ取り繕える…渋滞のせいにしようか…あと一回だけやってみるか…。

これでGET出来なければ…娘の為にネットで買うか…いや、しかし自分で取るのが楽しみなので、それはしたくない。

『娘ちゃん、時間がきたから最後にしようか』
『うん』
『ミュウツーがこなくてもいいよね?』
『うん、いい。』
来ない流れを感じつつ、ガオーレパスを読み込ませ最後の一戦を迎える。

明鏡止水の境地…なんて心が穏やかなんだ。

ディスクごときに必死にならずともいいのである。もう来なくても取れなくても、帰りに娘と盛り上がる会話でも考えておこう。所詮ゲーム。うんうん…。最後は笑顔で、娘のバンバン叩く姿を目に焼き付けておこう。

ミュウツー…君の事を実は良く知らないのであるが、十分楽しませてもらったよ。
ミュウとミュウツーの違いも知らないが、☆5なのは知っている。

一戦目、やはりこない
二戦目、やはり、コ・ナ・イ うんうん。
そうだろそうだろ。そんなもんさ人生は。
悲しそうな娘の瞳がパパを射る…しかし娘よ学ぶのだ、人生こんなもんなんだよ。
三戦目 ポケモンが雄たけびをあげる、大したことないレベルだ…。

無理だろうなぁ…

と、と、と、まさにその瞬間
まさか!でた!まさか!まさか!ここで出るのか!
ミュウツー 鳥肌が…オーマイガー!

娘と顔を見合わせる…
100円を入れる手が震えて入り口に…慌てるな慌てるな…100円を入れる時間は十分ある。
こんな時に限って、100円が受け付けられず、出口に排出される…。
『何もボタン押すなよ!』
あ~もう、落ち着け落ち着け。
さっきまでの境地はどこに…。
我ながら必死…
汗が間欠泉のごとく吹き出る。

ふと気が付く。
娘の戦いを夢中で見ていたのであろう。

最後は何で倒したのか―
最後の記憶が曖昧としている。

なんて娘だ。
時間内に倒すとは。

ゲットチャンスが訪れる。禍福は糾える縄の如し。先輩…心から祈るが都合よく来るはずもない。ガオーレを始めてから『祈る』事が増えてきた気がする。

先ほどはミュウツーを見れるだけでよかったのに。人間とは強欲な生き物である。これがほんとのほんとのほんとのラストチャンス。
またミュウツー取りに来ようね…は、ない。

娘よ…マスターボールとは言わないがハイパーボールで夢を見させてくれないか…

…また祈る。

あ、蒼い…青い…あおい…アオイ。
スーパーボールか…果てしなく終了感が漂う。娘にも分かるようだ。

娘が悲しまないように心では泣いて、娘への眼差しは最高の笑顔を贈る。

9回裏二死走者なし、点差は2対0…代打を送る。最後の夏…代打がバッターボックスから監督を見る…そう、あの時の高校野球の監督の気持ちだ。なぜ敗戦濃厚なのに、あの笑顔が出るのか…今分かったよ。ありがとう娘よ。

キュル 一回転

キュル 二回転

キュル 三回転・・・

ん?ぎりぎりまで見せといて飛び出るいつものパターンであろう。心は期待しないように最初から押さえつけている。逃げ出してもいいんだよミュウツー。

カチ!

娘『え!?入った!?やった!とれた!』
パパ『。;fmをggvn:epwlfep,』
娘『パパ取れた!ミュウツー!』
娘とハイタッチする。

言葉にならない。何十歳も離れた娘と気持ちが一つになる。たかがゲーム。されどゲーム。この親子のもて遊ばれ方…任天堂のベストカスタマーに間違いない。

踊らされていても踊ってしまう…今はそれで良しとしようじゃないか。
人の心の真理への探究は深いが、人は案外単純な生き物なのかも知れない。

帰宅後、妻の機先を制し娘が『ミュウツーとった!』と家に転がり込む。
つかさずパパもこの機会を逃さず、ミュウツーがいかに奇跡的に取れたものか語る。

娘の話に乗っかるのだけは得意だ。

そして、間髪入れず娘を風呂に入れる。
妻のターンを与えないまま時間が落ち着きを与えてくれるのを心静かに湯船で待つ。
時間が全てを癒してくれる。

時の流れに身をまかせ~♬いい歌詞だ…。

人間の怒りは怒った瞬間から6秒経過すれば不思議とそこまで怒らないで済むのだという。
つまりカッとなっても6秒間待てば人はそこまで怒らなくてもいい状態になれるのである。

6秒間を待てずに怒りの感情のまま即座に行動開始してしまうと…取り返しのつかない事をしてしまうかもしれないものなのである。

無事に波をやり過ごす。

コロンブスは7つの海を大航海したけれども、妻の荒波が一番のサルガッソーであることは秘密である。

ディアルガ、パルキアコースがHPで宣伝されている。ラティオス、ラティアスコースもあるらしい。Z技のディアルガ…欲しい…ウルトラビースト?フェローチェは白いゴキ○○にしか見えないのは自分だけか?

物欲の迷走が始まる…

娘がいつまでお風呂に入ってくれるのか?問題と同じく、いつまでガオーレに興味を持つのだろうかと…先行きの不安を覚えつつ、満足感に包まれて今日も娘の横で眠りに落ちるのである。

“人が意見に反対する時は、だいたいその伝え方が気にくわない時である”

― ニーチェ ―